Gechic(給奇創造会社) On-Lap 1301 レビュー
以前掲載したLenovo ThinkVision LT1421 レビューのコメントに、「今度日本で発売するユニークな新商品のレビューをしてくれませんか?」という投稿があったのですよ、ええ。
台湾のGechic(給奇創造会社)の方で、調べてみると確かになにやらおもしろげなアイテムだったもので、「正直な感想を書いていいなら」という条件を元にOKを。
何事も書いてみるものだなぁ。
というわけで、画像多めでレビューを頑張ってみた。
仕様について
商品名On-Lap 1301の特徴に関しては、ちょうどEngadget Japaneseに掲載された記事がわかりやすいだろう。
それ以外の詳しいスペックシートは下のスペックシートを参考に。
LT1421との大きな違いとしては、DVIをHDMIに変換して接続するので、USBモニターと異なりドライバーがインストールできない機器でも利用できるという点があげられる。
アナログVGAでも接続できるので、極端な話、ドライバーの対応してなさそうなWin95辺りの古いノートパソコンに接続して使うことも可能だろう。
試せないが、もちろんMacでも問題ないはず。
あとUSBは給電にしか使っていないので、1つで済むのも大事なポイント。
個人的な話だが、typeTからZENBOOKに変更したのでUSBコネクタが筐体の左右に1つずつになり、LT1421と接続するにはUSBを延長する必要があったのでこの仕様はありがたい。
もっともノート側のHDMIコネクタがマイクロHDMIタイプなので、どちらにしろ変換ケーブルはいるのだが……そうでないフルサイズのHDMIコネクタを搭載したノートであれば、液晶の配置位置の自由度は高くなるだろう。
またスペックシートにもあるように解像度は1366×768固定ではなく、何段階かに自動認識するようになっている。
PC接続以外の用途を想定する必要のないLT1421との、これもまた別の差異ポイントだ。
パッケージと外観
まあスペックについて長々と語るよりもまずは開封してみよう。
持ち手のついたなかなか上質っぽい紙質のBOXパッケージ。
写真は省略したが、裏にはイメージ画像と、いかにもアジアアイテムっぽいフォントで売り文句が。
なぜだかこういうフォントを観ると安心する。
ちなみにおもしろそうな誤字はなかった(笑)。
箱をあけると、中にはマニュアルやケーブルの入ったアクセサリBOXと、その下から不織布バッグに包まれたモニター本体が出てくる。
どんだけ買い物してきても、この瞬間のワクワク感はたまらない。
付属物はDVIケーブル、VGAケーブル、吸盤および補助プレート、ケーブルタイ、マニュアル、クイックインストールガイドとなっている。
右上の緑色の物体はスタンドブリックといい、モニター単体で立てて使ったりするもので、別売りとのこと。
このモニターだけでなく、スマートフォンを立てて置くのに使えたりとなかなか便利なものなので、できれば製品版にも標準装備して欲しかった、残念。
それにしても床汚いな……仕事が忙しくて掃除する暇なくて……スマヌ(´・ω・`)。
吸盤って何に使うの?っていう疑問はごもっとも。
これはそのまま「どうやってノートにセットするの?」というクエスチョンとともに、下の動画を観てもらえば判るだろう。
[給奇創造]On-Lap筆記型螢幕快速安裝教學 – YouTube
動画の投稿日付けが8月なので製品版とは若干違う部分もあるだろうが、大体のイメージはつかめるはず。
ちなみに最初の方の位置決めシートみたいなものは、たぶん製品版の補助プレートにあたる部分かな?
吸盤はかなりしっかりくっつくようなので、ノート以外の壁などにくっつけて壁掛けにするのもありだと思う。
さて、ようやくのモニター本体である。
液晶とフレーム部分にわかれており、フレームの下部は開閉のでき、コネクタとケーブルを隠すようになっている。
液晶表面はツルテカのグレア仕様で、映り込みを防ぐような表面加工処理はされていないと思われる。
実際画像を映してみるとそれほど気にならないが、電源OFFやブラックアウトすると、どこかで見た覚えのあるイケメソが表示されて驚かされるね!
まあ、なんだ……それよりも指紋とかホコリがつきやすく、除去しづらいのが困りもの。
なのでノート用のフィルムを貼り付けるか、当サイトではおなじみの『クリスタルコート』の類いを使うといいだろう。
実際クリスタルコートを使っただけでかなり撮影が楽になった。
裏面がこちら。
フレームはしっかりした金属製で、4つある凹み部分に吸盤をつけるようになっている。
フレームと液晶は約270度ぐらいまでは開くようになっていて、ヒンジ部分の保持力もフレームを脚にして縦置き出来る程度にしっかりしている。
もっとも使っていくうちにどうなるか判らないのが可動部分ではあるが。
ある程度閉じるとすっと軽くなって、吸い込まれるようにパタンと閉じるトルク感は割と好印象。
ケーブルケース部分は蓋を少しずらせば開ける仕様になっているが、材質もプラスチックっぽい感じで全体に造りが安っぽいのも残念。
USBケーブルは直付けになっていて交換ができない。
DVIとVGAのコネクタに付属のケーブルを差して、側面の穴から引き出せるようになっている。
液晶部分の表と裏の一部をそれぞれ切り出して並べて見たわけだが、これ表の部分はタッチセンサーではなく、位置に対応した裏のボタンで操作する仕様になっている。
正直タッチセンサーに慣れているとかなり戸惑う上に、表示されるOSDメニューが初期設定だと10秒で閉じてしまうため使いづらい。
まあ設定変更の必要性はあまり感じられないので、それほどクリティカルな問題ではないが、もうちょっとなんとかならなかったものか。
あとOSDのフォントは……やっぱりこの手の商品でおなじみっぽいのになってるね(笑)。
使ってみた
ではさっそくノートに取り付けて……って言いたいところだが、まずはこれを見ていただこう。
うん、そうなんだ、手持ちにある唯一のノートPCであるところのZENBOOKとサイズがほとんど変わらないんだ。
天板が曲面で、なおかつ軽量薄型のULTRABOOK、そしてヒンジは約900gの重さを追加で背負わせるにはあまりに不安だ。
というわけで、ノートでの試用はあっさりあきらめて、普通にデスクトップPCにつないでみることに。
壁紙に関してはキニスンナ
液晶画面をカメラで撮ってどれだけ伝わるかは微妙だが、発色も素直で思ってたよりクリアな印象。
安物の液晶にありがちなぼやけた感じもなく、細かい文字も問題なく読み取れる。
横の視野角に関しては、色の変化に関しては仕方ないとはいえ白くつぶれることもなく、個人的には許容範囲。
むしろグレア液晶特有の映り込みの方が邪魔している感じ。
縦置きにしてtwitter用に使うのに結構いい気がしてきた。
さらに色々使ってみた
でもまあ、PCで使えるのは当たり前過ぎるよね。
というわけで家の中にある様々な機器で試してみた。
GALAXY Nexus
そういやHDMI出力をサポートしていたなぁ、ということで真っ先に試してみることに。
当然ながら通常のHDMIコネクタがあるわけじゃないので、今回は『ランサーリンク MicroUSB to HDMI MHL変換アダプター』を使用。
うーん、これは残念な結果に。
画像だとわかりにくいが、上下に大きく帯が出ていて表示されない。
1280×720の解像度が、640×480として認識されて(この時点で上下に帯が発生)、それがそのまま1386×768の横長に引き延ばされている感じだな。
せめて1280×720のまま全画面に引き延ばされていたら、まだなんとか使えたのだが。
あとスケーリングもきかない仕様なのも痛い。
ちなみにGALAXY NexusはHDMI出力では強制横画面で出力されることがわかった。
LUMIX G3
このレビュー記事の画像を撮影しているカメラにも、当然のように出力端子はついている。
ただしminiHDMIなのでminiHDMI-HDMIケーブルと、モニターのHDMIケーブルを『PLANEX HDMI延長用アダプタ』でつないでみた。
(というわけでここだけは、XPERIA rayのカメラでの撮影)
720×480として認識。
G3の背面液晶は3.0型 約46万ドットなのでそれより解像度が落ちるとなると、画像確認用途としても難しいなぁ。
Xbox360
背面にあるHDMI端子は少し奥まっているので、コネクタがL字タイプの付属ケーブルでは届かないため、上記の延長用アダプタで普通のケーブルを継ぎ足して接続。
せっかくなのでG3を三脚に固定して動画を撮ってみた。
映り込みを防ぐためにかなり横から、それも久しぶりにプレイしているので腕前に関してはご容赦を。
あとベテランモードだから数発で即死だし。
Xbox360版MW3をOn-Lap上でプレイ
1920×1080のまま認識。
カメラ側のAFが動作してのピントぼけはともかくとして、これは予想以上にいける!
モニターにスピーカーが搭載されていないので、そこだけ本体から別の方法で引っ張ってこなくてはダメだけど、充分遊べるレベルじゃないだろうか。
PlayStation3
当然こっちもいけるか!と思ったのだけれども、1920×1080で認識はしている様子だが、画像はまったく表示されなかった。
BD搭載機器はHDCP未対応の機器には出力できないので、あくまでDVIをHDMI変換しているだけのこのモニターでは無理という結論に、残念。
その他
色々試してみる中で、一番困るのが電源確保。
Xbox360やPS3みたいに本体にUSB端子があるのならラクチンだが、そうでないならコンセントからUSBに変換するアダプタを使って、さらに長いケーブルも必要になったりする訳で結構面倒。
というわけで今回はこれが役立ったのだった。
エネループで動くモニター!
理屈ではなんら不思議ではないのだけど、実際やってみるとこれがちょっと感動する。
LT1421だって実はUSB一つでも使えないことはないらしいが、映す映像などによっては給電が追いつかなくて表示が飛んだりするらしい。
だがOn-Lap 1301なら最初からUSB1つ分の給電を前提にしているから、エネループでもまったく問題がなかった。
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というわけで、自分なりにやりたいことを好き勝手やらしてもらったが、機会があれば店頭で確認することをオススメする。
発売日は12月20日ぐらいを予定しているとのこと。
日本での販売代理店はASUS製品などを取り扱っているユニティなので、秋葉原の店頭などにはそれなりに並ぶことだろう。
価格に関してはユニティに確認して欲しいということで現状不明なのだが、LT1421と比較して1.5万円前後なら充分競争力はあるんじゃないかなぁ。
パソコンケースの横パネルに貼り付けて、画像が動く痛PCとかどうだろうか(笑)。
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追記:12/11夜現在、一部の通販ショップで16,800円の値段が出てるので予想範囲内の価格になりそう。
Amazonにも商品登録はされた模様。
『Gechic Corporation 13.3型 液晶モバイルモニター On-Lap 1301』
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追記:他にレビューされているサイト様
◆ヲチモノ- ノートPCに装着できるサブモニター『On-Lap 1301』、レビュー
◆Gechic社製 USB給電 液晶モニタ On-Lap 1301 レビュー【開封の儀】 | 吉田Style-MindShare-
みんな写真きれいだなぁ……。